根の研究
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森林の炭素循環における外生菌根菌の役割を研究する手法1
外生菌根の菌類含量を定量化する直接的な手法についての序論
里村 多香美橋本 靖木下 晃彦堀越 孝雄
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2006 年 15 巻 3 号 p. 119-124

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抄録

陸上生態系では, 菌根菌は炭素循環において重要な役割を担っていると考えられており, 菌根菌の役割を定量化するために菌根菌のバイオマスが研究されてきた。我々は, 炭素循環においてなぜ菌根菌が重要なのかを明記し, 菌根菌がどの程度森林の炭素循環に貢献しているか評価するための重要な要素の一つ, 外生菌根に含まれる菌根菌を直接的に定量する方法について紹介する。先駆的な研究では, 様々な森林において外生菌根の菌類含量の値として40%が用いられている。しかしながら, 近年の研究から40%という値は様々な森林のすべてに適切な値とは限らないことが示された。この報告を通じて, 外生菌根の菌類含量の値のデータを蓄積することの重要性を強調する。そのデータが蓄積されれば, 森林の炭素循環の推定をより正確に示すことができる。

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