本研究では,介護保険サービスを利用している要支援高齢者は利用していない者に比べ,身体心理社会的特性にどのような特徴があるかを明らかにする.A市(人口66,092人)の全要支援高齢者527人のうち,過去3か月間継続してサービスを利用している者293人,サービスを利用していない者187人を調査対象とし,ADL,IADL,抑うつ,ソーシャルサポート,行動範囲や意思疎通などを郵送調査にて把握した.分析対象となったサービス利用者は163人,未利用者は114人である.サービス利用者は未利用者に比べて,独居高齢者が多く(p =.0006),交通機関を使って外出する者が少なかった(p =.044).以上より,介護保険サービスを利用している要支援者は,独居高齢者が多いこと,交通機関を使って外出していないことが特徴として示された.