老年社会科学
Online ISSN : 2435-1717
Print ISSN : 0388-2446
原著論文
特別養護老人ホームの要介護高齢者の看取りケアの実施に関する施設長の判断とその規定要因
金 貞任鈴木 隆雄高木 安雄
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 31 巻 3 号 p. 331-341

詳細
抄録

 本研究では,特別養護老人ホームの施設長を対象に,要介護高齢者の看取りケアの実施について施設長の判断に影響を及ぼす客観的要因と主観的要因に着目して規定要因を明らかにすることを目的とした.使用するデータは,全国特養の施設長4,678人を無作為抽出し,2007年8月に郵送調査法により調査を実施し,有効回答の1,637票(35.0%)が分析の対象となった.特養の看取りケアの実施を従属変数とするロジスティック回帰分析の結果,①客観的要因について,個室ベッド数の「15~36床」群と「37床以上」群のオッズ比にそれぞれ有意な差がみられた.平均要介護度認定では,「3.61~3.80」群のオッズ比に有意な差がみられた.1年間死亡者数の「7~10人」群と「11~14人」群のオッズ比にそれぞれ有意な差がみられた.②医療体制について,死亡診断書作成を含む医師体制と,24時間看護体制とのオッズ比にそれぞれ有意な差がみられた.③主観的要因について,介護職の看取りケアに対するレベルアップの必要性のオッズ比に有意な差がみられた.施設長の看取りケアに対する役割の認知は,「家族」と「医療機関」群のオッズ比にそれぞれ有意な差があり,看取りケアの実施に対して有意な関連があることが示唆された.

著者関連情報
© 2009 日本老年社会科学会
次の記事
feedback
Top