住民基本台帳から判断される一人世帯のうち,実際には同居者がいる(名目独居)高齢者の基本属性および心理的健康を分析した.調査は,2008年7月〜2009年3月にかけて埼玉県和光市で行われ,そのうち,一人世帯調査における名目独居と実質独居,一般世帯調査における一般同居の2,644人について分析した.名目独居と実質独居および一般同居を従属変数にした二項ロジスティック回帰分析,および,3群間での心理的健康に関する差の検定を行った.分析の結果,①性別や年齢,生活機能,収入にかかわらず,名目独居は婚姻状態と当該地域の居住年数において実質独居と一般同居と顕著な違いがあること,他方で,②同居者のいる高齢者のなかでも孤立傾向にある高齢者ほど名目独居に該当しやすいという関連はないこと,③名目独居は一般同居と同程度に将来への不安は少ないが,実質独居と同程度に健康度自己評価は低く,抑うつ感が高い傾向にあることが確認された.