抄録
スポーツ現場で発生する問題を解決するためには,監督,コーチ,トレーナーなど多職種で構成されるスタッフ間のインタラクションによる問題の調整と意思決定が重要となる.一方で,スタッフの会話には,戦略・戦術など口外し難い情報が含まれる場合が多く,スタッフ関係者以外の他者が,その様子を観察することは難しい.そのため,多職種スタッフ間のインタラクションが,どのような状況で機能し,チーム内の問題解決に影響を与えているのかについては,研究対象として十分に検討されてはいない.そこで本研究は,多職種スタッフ間のインタラクションが,スポーツチームの問題解決に与える影響を明らかにすることを目的とする.本研究の方法として,問題の調整と意思決定が行われるスタッフミーティングの検証結果と,問題の対応が行われる実践指導の分析結果との関連性を比較・検証する.