抄録
インクルーシブ教育の理念が広がり,テクノロジーが進展する中で,肢体不自由のある児童生徒が一般教育の場で学ぶ権利がますます重視されている.こうした中で,児童生徒の多様な学習および自立と社会参加に向けたICT活用は,教育と生活の質を支える重要なツールとなっているといえる.本稿では,台湾における,(1) 教育的支援におけるICTの活用,(2) AIを用いた画像入力支援システム,(3) 脳性麻痺児の上肢機能リハビリにおけるVRの応用,(4) Arduinoを活用したインタラクティブ教材の開発,(5) 特別支援教育カリキュラムにおけるAR技術の統合といった研究を概観し,総合的に検討することで,日本における肢体不自由教育の充実に向けて基礎的資料を得ることとした.文献的検討の結果,これらの事例を通じて,肢体不自由のある児童生徒が直面する学習課題およびニーズに対し,現代のテクノロジーがどのように応答しているかについて考察し,日本における教育実践への示唆を得ることができた.