レギュラトリーサイエンス学会誌
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シリーズ(医薬品・医療機器評価をめぐる最近の話題)
PMDAアジア医薬品・医療機器トレーニングセンターの新たな取り組み
緒方 映子妙圓薗 あや
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ジャーナル 認証あり

2024 年 14 巻 1 号 p. 159-171

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抄録

独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)が2016年に設立したアジア医薬品・医療機器トレーニングセンター(略称:PMDA-ATC)は,アジアをはじめとする世界の規制当局の担当者向けの研修を提供している.2020年,新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大を背景に,PMDA-ATCはバーチャル形式でのウェビナーの提供を開始した.ウェビナー開催はPMDA-ATCとして初めての試みであったが,従前のセミナーと同様にケーススタディを用いたグループ討議を行うなど,相互コミュニケーションを重視したプログラムを提供している.また,ビデオ動画を用いたオンライン教材の提供も開始し,セミナー/ウェビナーへの参加が叶わない人にも広くトレーニングの機会を提供するとともに,ウェビナーの事前および事後学習として活用している.オンライン教材は,世界中から誰でも閲覧可能であるYouTube「Pmda Channel」を利用した配信と,海外の規制当局担当者のみが受講できる「PMDA-ATC E-ラーニングコース」の2種類の形式で提供している.いずれのコンテンツも単なる講義動画の配信ではなく,トレーニング教材として効率的かつ効果的に学習できるよう,1コンテンツは10分程度のショートビデオとし,英語を母国語とするネイティブによるナレーションとアニメーションが挿入されている.これらのPMDA-ATC活動をより広く普及するため,2022年6月にFacebookおよびTwitter(現・X)による情報発信を開始した.また,2023年にはセミナー/ウェビナーの修了証をデジタル証明証「オープンバッジ」として発行するサービスを開始した.本稿では,これらのPMDA-ATCのDX(Digital Transformation)に対応した新たな活動についてまとめる.

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© 2024 一般社団法人レギュラトリーサイエンス学会
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