2026 年 16 巻 1 号 p. 73-78
小児に対する有効性および安全性が適切に評価され,小児に対する適応をもつ医薬品は限られている.欧米では,小児用医薬品開発のための規制が制定され,一定の成果をあげている.一方,本邦では,小児用医薬品開発を義務づける規制は存在せず,近年では,小児用医薬品におけるドラッグ・ロスの拡大も懸念されている.このような状況をふまえ,厚生労働省を中心とした「創薬力の強化・安定供給の確保等のための薬事規制のあり方に関する検討会」において,本邦における小児用医薬品の開発促進に資する今後の薬事審査等のあり方が検討され,2025年5月には薬機法の改正により,成人用の新薬の承認申請者に対し,小児用医薬品開発の計画策定が努力義務として課されることとなった.独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)もまた,小児用医薬品の開発計画の確認に特化した相談枠の新設,小児・希少疾病用医薬品等薬事相談センターの設立,及び通知による小児用医薬品開発に対するPMDAの考え方の発信など,小児用医薬品の開発促進に向けた新たな取組みを開始している.また,2025年8月27日には小児用医薬品開発に関わるさまざまな関係者を交えて小児用医薬品シンポジウムを開催するなど,小児用医薬品開発における産患官学の連携の強化も重要視し,PMDAとしての取組みを進めている.