抄録
TRMM(Tropical Rainfall Measuring Mission)は,地球規模の降雨強度分布を観測するために開発された降雨レーダを搭載する日米共同の衛星計画である。TRMMは衛星に降雨レーダを搭載するはじめての計画である。しかし,電源,アンテナサイズ,送信電力等のハードウェアの制限および降雨レーダと降雨間の遠距離化のために,低SNR(signal-to-noise ratio)下での運用が強いられることが予想される。したがって,降雨からの信号が微弱な場合,受信機のダイナミックンンジから外れる領域で信号が検出される可能性がある。この時,受信機の入出力特性の線形性を仮定すると,検出された信号にはバイアス誤差が生じる。この誤差を減少されるために,ソフトウェアによりレーレーフェージングする信号に対する受信機の入出力特性の非線形性の補正を行ったところ,ダイナミックレンジを下側の領域に20dB拡大することができた.