砂防学会誌
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治山・砂防ダム堆砂勾配についての解決すべき特異例と諸問題
海堀 正博徳留 善幸
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1994 年 47 巻 2 号 p. 30-34

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抄録
筆者らは広島県加計町での調査に続き, 鳥取県大山二の沢でもダムの堆砂勾配について調査を行った。今回の調査地は土砂生産区域とみなされるところである。調査の結果, 二の沢最上流部のダム堆砂地を除いて, 元渓床勾配の1/2~2/3の範囲に分布していることがわかった。この結果は加計町でのダム堆砂勾配が元渓床勾配のほぼ1/3であったのとは異なっている。一方, 二の沢最上流部のダム堆砂勾配は元渓床勾配とほとんど近い値となっていた。この元渓床勾配と近い値となる堆砂と類似の状況は, 加計町においても, 荒廃渓流の途中に不安定堆積物がたまる場合には見ることができる。これらのことから, (1) 堆砂勾配に最も支配的に働く因子は上流からの流出土砂量と土砂流出頻度であること, (2) 次に重要な因子は土砂移動の形態であり, これには流れタイプと崩れタイプとがあること, (3) 流れタイプは土砂の粒径が小さい場合に容易に発生し, 堆砂勾配は小さくなることなどが結論づけられた。また, フローティングダムを連続して計画する場合には, 計画堆砂勾配として洪水勾配よりも静的平衡勾配を採用する方が安全側であることを述べた。
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