1978 年 17 巻 5 号 p. 270-276
石油タンク底板の腐食を実物タンクより採取した試片について,微視と巨視の両方の立場から形態学的に調べたものである.微視的観点からは孔食の成長挙動を,巨視的観点からは試片表面の減肉分布を嵩察した.その結果,孔食の深さHと直径Dに関する測定値を両対数方眼紙上にプロットすると,両者間に直線的関係,すなわちH=aDbなる関係が認められた.また,減肉量に関する実測値は,腐食が確率過程(stochastic process)に従うものと仮定して導かれた理論分布曲線と良く一致する.