1979 年 18 巻 2 号 p. 65-72
ボイラーは産業革命の推進役となり,各種技術の先導役となりながら輝かしい発展の歴史を展開してきた. 一方,蒸気圧力の増加と共に事故が頻発し,技術史上まれにみるほどに多い犠牲者を出した.事故の頻度と規模は圧力と単純な関係にはなく,安全技術面からきわめて参考になる内容を持っている.この報告は19世紀以来のボイラー披術の歩みを例として,開発,拡大,成熟などの技術の諸局面およびその時代背景と安全性との関係を求め,ついでに設計の観点から化学,石油関係プラントについて安全技術の今日的課題に及んだ.