1979 年 18 巻 2 号 p. 82-88
本論文は,電撃時の生体内電位・電流密度分布を種々の電撃部位について解析したものである,肺,心臓,血管,筋組織の異なった抵抗率からなる2次元トルソモデルをつくり,解析には有限要素法を適用した.心細動発生の要因である心臓の電流密度は,左右肋間の電撃部位が最大で,左右上肢が最小となる.また,電聲電流と心臓の電流密度との関係は,心臓と電撃部位の距離,心臓を取り囲む肺領域の大きさ及び体内を流れる電流の方向と電撃時の肺の状態(呼吸)を考慮して論じる必要がある.