安全工学
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土砂災害
武田 勉
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1990 年 29 巻 4 号 p. 289-294

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抄録

山・がけ崩れ,地すべりあるいは土石流による土砂災害は,台風時の豪雨,梅雨期などにおける集中豪雨,地震により発生し,人命などに大きな被害を与えている,また近年は,市街地のスプロール化に伴う都市周辺の丘陵地の宅地造成・開発が進み,盛土などの人工地盤,人工がけ,擁壁などが崩れるといった土砂災害が多発している. 土砂災害については,消防組織法第1条に基づき火災などの災害と同様にその防御は消防の任務とされているところであり,消防機関においても土砂災害による被害の軽減を図るため種々の施策が講じられているところである。しかしながら,土砂災害現場においてはしばしば2次崩壊が発生し,大被害を被るような事例が発生しており,消防活動を行ううえでの困難性が存在する. また,斜面崩壊の発生機構が完全に解明されていないため,斜面崩壊の発生場所,時期あるいは規模などを予知予測することは不可能な状況にあり,具体的・合理的な対応策をたてることができないことも消防活動の困難性を高めている. このような消防活動上困難性を有する土砂災害であるが,毎年のように各地で頻発しており,消防機関として災害に対応しなければならない。そこで,本稿では,土砂災害時における一般的な消防活動対策および消防活動上の留意点について述べる.

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© 1990 特定非営利活動法人 安全工学会
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