安全工学
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29 巻, 4 号
安全工学_1990_4
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
安全への提言
総説
  • その近代化とEC指令との関係
    佐脇 幸男
    1990 年 29 巻 4 号 p. 234-240
    発行日: 1990/08/15
    公開日: 2017/09/30
    ジャーナル フリー

    戦後の産業構造変化を踏まえ,英国も安全法令の近代化を図り,HSW法を1974年に制定した, この新法の制定に当たり古い法令の弊害をどのように排除し,また自主保安の活用を図ったかを紹介 した. そしてこの法律をもとに,ナイプロ事故のような工場災害の再発を防止するための規則2つが制定されたが,たまたまこれはEC指令の要求に対する英国の答でもあったわけである. この両規則とEC指令の内容も紹介した.

報文
  • 近藤重雄・堀口貞滋・浦野洋吉・徳橋和明
    1990 年 29 巻 4 号 p. 241-250
    発行日: 1990/08/15
    公開日: 2017/09/30
    ジャーナル フリー

    爆発限界を決定するのは,浮力,熱損失,反応機構などのメカニズムであるといわれる,それぞれのメカニズムが火炎の伝ぱ限界を規定する条件式から,限界火炎温度と圧力の関係式を求めた.それらの式は,まとめて1つの一般式としてつぎのように表すことができる. (P/P0a =(T/T0bexp{E/RT-E/RT0

    ここで,Tは限界火炎温度,Pは圧力,Eは総括活性化エネルギー,T0は圧力が瓦のときの限界火炎温度である.Eの値はその物理的意味からも正でなければならない,また,a,bの値はメカニズムによりそれぞれ,およそ一1~3,一2~2の範囲の値をとる.aが正の値であれば限界火炎温度は圧力の増大とともに低下し(フェーズ1),負であれば上昇する(フェーズ2).ごれらの式を,水素,エチレン,メタンなどの爆発限界の圧力依存性データの解析に応用したところ,活性化エネルギー,反応次数などのパラメータ値を適当に選べば実験の傾向をよく再現することがわかった.しかし,得られたパラメータ値は,燃焼速度の圧力依存性から予測された値とは必ずしもよく一 致しないことがわかった.

  • 津田 健, 北条 英光
    1990 年 29 巻 4 号 p. 251-256
    発行日: 1990/08/15
    公開日: 2017/09/30
    ジャーナル フリー

    垂直円管に金網形フレームァレスタを設置した場合の消炎性能について検討した. その結果,消炎性能に対して,上方伝ぱの場合には火炎伝ぱ速度がよい指標となるが,下方伝ぱの場合にはこれが必ずしもよい指標とはならないことを明らかにした.この原因は下方伝ぱの場合,火炎伝ぱ方向と燃焼ガスの流れに起因する未燃ガスの流れの方向とが逆向きであるため,火炎が金網で停滞する場合があるためであることを示した。 停滞しない場合には,消炎性能は下方伝ぱの場合ほかの場合に比べかなり低くなり,水平伝ぱ,上方 伝ぱでは大差なかった, 一方,停滞する場合には,伝熱面積が大きく,体積空間率の小さい金網ほど消炎性能が高いことを示し,これらを表す指標として躍×ゴ(メッシュ数×線径)が有効であることを明らかにした. さらに,停滞をも考慮した金網形フレームアレスタの選定法を提唱した.

  • 松沢 俊雄, 和田有司・田村昌三・吉田忠雄
    1990 年 29 巻 4 号 p. 257-265
    発行日: 1990/08/15
    公開日: 2017/09/30
    ジャーナル フリー

    バイトン製ゴムパッキングと市販の消防法式圧力容器を用いた従来法の圧力容器試験において,約6 kg/cm2の最高分解圧力を与える標準物質である70%AIBN-30%α一Al202では破裂板の平均破裂圧は5,5kg/cm2となり,消防法で規定する破裂圧力6.O kg/cm2より低くなる.80%AIBN-20%α一A1203 では,6、3kg/cm2で破裂した。同じ破裂板でも,圧力上昇速度が増すと破裂圧力が高くなることを示し ている。 70%AIBN-30%α一A1203を用いて,内径を変えた銅製パッキングを使用して,破裂板の破裂圧力を調べた,銅製パッキングの内径を変えることによって,破裂圧力を調整することが可能であることを示 した.また,破裂板のロットにより破裂圧力に差があることがわかった.

資料
  • 櫻井 弘久
    1990 年 29 巻 4 号 p. 268-271
    発行日: 1990/08/15
    公開日: 2017/09/30
    ジャーナル フリー

    国際単位系に基づく温度の単位ケルビンで温度を忠実に表現するため,従来の温度標準であった 『1968年国際実用温度目盛』が改訂され・『1990年国際温度目盛』に変更された。新しい標準では,O、65 K以上プランクの放射則で測定可能な高温域までの,ほぼ実用的な全温度領域を定義している.この温度目盛は,17の定義定点,ヘリウムの蒸気圧と温度の関係式,気体温度計,白金抵抗温度計およびプランクの放射則によって定義されている.

  • 槌田博・加藤龍夫
    1990 年 29 巻 4 号 p. 272-279
    発行日: 1990/08/15
    公開日: 2017/09/30
    ジャーナル フリー

    大気中のガス状農薬の採取分析方法と調査報告事例について述べ,測定結果の評価規準について解説 した.農薬の広域大量散布に伴い周辺の住民から健康被害の訴えが聞かれるようになり,農薬の大気汚染の測定の必要性が高まっている。現実の環境調査の方針を立てるときに参考になるように,さまざまな採取分析方法と測定結果を列記した.また,調査結果は,労働環境の許容濃度では評価できないことを示し,薬物代謝の悪い人に規準を置いて考える必要があり,極低濃度での免疫アレルギー反応への影 響も指摘した.

  • 石黒 辰吉
    1990 年 29 巻 4 号 p. 280-288
    発行日: 1990/08/15
    公開日: 2017/09/30
    ジャーナル フリー

    生活環境阻害要因としてのニオイ,すなわち臭気について,測定・評価の方法としての機器測定法や官能試験法について,臭気に起因する苦情を処理するために悪臭防止法や臭気対策などのかかわりでどのような方法が使われているのか,経緯や現状について述べた.

  • 武田 勉
    1990 年 29 巻 4 号 p. 289-294
    発行日: 1990/08/15
    公開日: 2017/09/30
    ジャーナル フリー

    山・がけ崩れ,地すべりあるいは土石流による土砂災害は,台風時の豪雨,梅雨期などにおける集中豪雨,地震により発生し,人命などに大きな被害を与えている,また近年は,市街地のスプロール化に伴う都市周辺の丘陵地の宅地造成・開発が進み,盛土などの人工地盤,人工がけ,擁壁などが崩れるといった土砂災害が多発している. 土砂災害については,消防組織法第1条に基づき火災などの災害と同様にその防御は消防の任務とされているところであり,消防機関においても土砂災害による被害の軽減を図るため種々の施策が講じられているところである。しかしながら,土砂災害現場においてはしばしば2次崩壊が発生し,大被害を被るような事例が発生しており,消防活動を行ううえでの困難性が存在する. また,斜面崩壊の発生機構が完全に解明されていないため,斜面崩壊の発生場所,時期あるいは規模などを予知予測することは不可能な状況にあり,具体的・合理的な対応策をたてることができないことも消防活動の困難性を高めている. このような消防活動上困難性を有する土砂災害であるが,毎年のように各地で頻発しており,消防機関として災害に対応しなければならない。そこで,本稿では,土砂災害時における一般的な消防活動対策および消防活動上の留意点について述べる.

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