オゾン層破壊の原因物質の一つとされ,製造中止が決定されている1,1,1一トリクロロエタンの代替洗浄剤である60vol%エチルアルコール水溶液の蒸気の爆発限界および爆発圧力の測定を室温および50℃において行った。爆発下限界はいずれの温度においても気相のエチルアルコールが3.5vol%の濃度であった.100%エチルアルコールの蒸気の爆発下限界は同じ温度で3.4%であり,下限界値に対す る水の影響は小さい。 また水溶液の蒸気の爆発圧力は室温では最高初圧の5.7倍,50℃では最高同じく7.0倍で,100%エチルアルコールに比較するとやや低く爆発は弱くなった.気液平衡組成を計算することにより爆発下限界の測定温度が蒸気と平衡にある水溶液の引火点によく一致することも明らかにした.