安全工学
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33 巻, 5 号
安全工学_1994_5
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
安全への提言
総説
報文
  • 大塚 尚寛, 関本 善則, 及川 浩
    1994 年33 巻5 号 p. 282-288
    発行日: 1994/10/15
    公開日: 2017/06/30
    ジャーナル フリー

    盛岡市における環境大気中のアスベストについて調べた.スパイクタイヤの装着率が高かった1980年代後半の冬期の道路近傍で,アスベストを含む繊維状物質の発生増加がみとめられた,これは,道路舗装材用骨材の磨耗に起因するものであり,盛岡市固有の現象であることがわかった. 特に発生増加が著しかった繊維状物質について同定した結果,アスベストの一種であるアクチノライトであることが判明した.繊維状物質のすべてがアクチノライトと仮定すると,スパイクタイヤ使用規制以前の冬期の道路端では,かなりの地点で環境基準値の目安である10f/1を大幅に上回っていたことになる.しかし,スパイクタイヤが使用禁止となった1992年度以降には,この値を上回る値はまったく測定されておらず,アスベストを含む繊維状物質が発生増加する傾向はみられなくなった.

  • 胡 洪営, 藤江 幸一, 浦野 紘平, 村山 浩二郎
    1994 年33 巻5 号 p. 289-295
    発行日: 1994/10/15
    公開日: 2017/06/30
    ジャーナル フリー

    水成系難燃性作動油を含む排水の凝集処理特性,生物処理特性,オゾン酸化およびフェントン酸化特性を評価し,その排水の最適な処理システムを提案した、 難燃性作動油含有排水は凝集性が低く,生物処理では難分解な高分子物質が残留すること,フェントン酸化では難分解性高分子の生物分解性が大きく改善されるものの,易生物分解性物質の酸化分解が優先的に進行し,このための試薬消費量が大きいことから,まず生物処理によって易生物分解性物質を除去してから,フェントン酸化を行い,高分子物質の生物分解性を向上させた上で再び生物処理を行えば よいことが示された. さらに,排水の生物処理特性の評価には,小型好気性浸漬濾床を用いた実験が便利であり,処理困難物質の追跡には画分の有機炭素濃度測定を加えたゲルクロマトグラムの利用が有効であることが明らか になった.

技術ノート
  • 堀口 貞茲
    1994 年33 巻5 号 p. 296-300
    発行日: 1994/10/15
    公開日: 2017/06/30
    ジャーナル フリー

    オゾン層破壊の原因物質の一つとされ,製造中止が決定されている1,1,1一トリクロロエタンの代替洗浄剤である60vol%エチルアルコール水溶液の蒸気の爆発限界および爆発圧力の測定を室温および50℃において行った。爆発下限界はいずれの温度においても気相のエチルアルコールが3.5vol%の濃度であった.100%エチルアルコールの蒸気の爆発下限界は同じ温度で3.4%であり,下限界値に対す る水の影響は小さい。 また水溶液の蒸気の爆発圧力は室温では最高初圧の5.7倍,50℃では最高同じく7.0倍で,100%エチルアルコールに比較するとやや低く爆発は弱くなった.気液平衡組成を計算することにより爆発下限界の測定温度が蒸気と平衡にある水溶液の引火点によく一致することも明らかにした.

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