1996 年 35 巻 2 号 p. 129-135
土-壌中のBaP含有量の季節変動にっいて調べる目的で盛岡,釜石両市内の土壌を期別に採取して分析を行った.土壌中のBaP含有量は,冬期>春期>秋期>夏期の順であり,特に夏期のBaP含有量がほかの季節と比較してかなり低くなる季節変動がみとめられた。その原因の一つとして,紫外線によるBaPの分解が考えられることが,紫外線強度の測定およびBaP含有量の経日変化の測定から明らかとなった.土壌中のBaP含有量を測定することにより,その地域のBaPによる大気汚染状況をおおむね把握することが可能である.ただし,夏期においては,土壌中のBaPはほかの季節に比べて低くなっている事実から,大気中のBaP濃度を必ずしも反映していないことが考えられる.