1996 年 35 巻 4 号 p. 283-288
種々の可燃物の燃焼から高反応性で見かけ上長寿命の気相スモークラジカルが生成する.火災時にこのような気相スモークラジカルが生成する可能性を調べるため,実規模の家屋火災実験での検出を試みた.その結果,酸素中心の気相スモークラジカルが検出され,実際の火災においても,前記の気相ラジカルが生成する可能性が示された. さらに,燃焼条件と気相スモークラジカルの発生挙動との関係を調べるため,代表的な高分子化合物を用いて検討した.その結果,気相ラジカルの生成量は,温度および雰囲気中酸素濃度の増大にともない極大を示した.また,酸素濃度の影響は,分子内酸素をもたない場合に大きく現れ,生成する酸素中心気相ラジカル中の酸素は,雰囲気中の酸素と分子内の酸素の両方に由来することが示唆された.