内分泌撹乱化学物質(環境ホルモン)問題が国民の関心の的になってから2年がたつが,この間情報のあいまいさも手伝って大きな社会不安を引き起こした.内分泌撹乱化学物質問題は野生生物への影響では,DDT,PCBなど因果関係がはっきりしたものもあるが,人間への影響に関してはいまだ仮説の段階のものが多い。本稿では,内分泌撹乱化学物質問題のこれまでの概況を説明し,昨年京都で開催された国際シンポジウムでの最近の情報にも触れた.化学物質のこれまでのリスク評価が発がんに偏っていた点を反省するとともに,化学物質への暴露は少なければ少ないぽど好ましく,健康影響の未然防止を図るという立場を取りながら,着実な調査研究とリスク評価が行われることを望む.