2000 年 39 巻 4 号 p. 256-263
埋設低圧ガス導管の破損部分から漏洩する音響信号を管内および管外で検知することで,破損箇所を探査する方法について検討を行った.孔状破損に伴う管外への漏洩音響信号の周波数特性および破損径の変化による周波数スペクトルの変化を明らかにした.また,音響インテンシティ法により地表面上から漏洩音源の位置同定は可能であるが,ガス導管上の土被り厚さの増大に伴い急速に探査精度が低下することも判明した.さらに,埋設条件下の管内への漏洩音響信号は管内暗騒音とのレベル差が大きく破損有無を判断でき,破損状況の違いを周波数スペクトルの違いから判断可能であることを示した.管内への漏洩音響信号の距離伝搬減衰特性から,導管口径よりも波長が長い成分に着目し,相互相関法による破損箇所の位置同定の可能性について言及した.