安全工学
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21世紀への労働安全衛生 特集
JR東海における労働災害防止の取組み
磯﨑 哲
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2000 年 39 巻 6 号 p. 406-413

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抄録

鉄道輸送において「安全」はすべてに最優先するものである.また,その「安全」を支える社員ならびに協力会社社員の「安全」も重要である.「労働災害」の発生はケガをした本人はもとより,家族を不幸に,そして会社の信用失墜につながるものである.安全にそしてより良い仕事をするためには,協力会社を含め一体となった取組みを進めなければならない. 労働災害を防止するためには,基本ルールを定め,そのルールを遵守させる.また作業員一人ひとりが未然に危険を予知する感受性を高めることが必要である.当社では,鉄道における労働災害の特異性から「列車との接触事故」「高圧電線等による感電事故」「高所からの墜落・転落事故」「事業用自動車での交通事故」の四大事故を防ぐために各種取組みを行っているところである.特に列車との接触事故防止として社内マニュアルの整備,列車見張員の使用するダイヤのきめ細かい使用方法とその使用後のチェック,ハード対策のひとっである列車接近警報装置の開発などを積極的に推進している.その結果,社員の最近の労働災害発生状況はきわめて安定した状況となっている.しかし協力会社の労働災害は4年連続で死亡災害が発生しており・指導および支援の強化を図っているところである. また,永遠のテーマであるヒューマンエラー防止については,安全風土の醸成と人材を育てる意味から,KY活動,安全衛生業務研究発表会,全国産業安全衛生大会,洋上研修,事故防止ビデオの取組みなどがあげられる.安全に即効薬はなく,地道な活動の積重ねが大切である.ゼロ災を目指し,社員と家族の幸せを願うものであり,努力し続けていくことを誓うものである.

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© 2000 特定非営利活動法人 安全工学会
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