抄録
棘上筋は筋線維の多くが筋内腱に収束し,筋外腱となって大結節に付着するという羽状筋の形態を示しており,筋収縮によって生じた力を集中させる働きがあると考えられている5).本研究の目的は腱板断裂患者と健常者で筋内腱の形態をMRI評価し,その特徴を調査することである.対象は腱板断裂患者16名,健常ボランティア10名.MRIはGE社製Signa HDx 3.0Tを使用し,oblique coronal像,oblique sagittal像,axial像を撮像した.Oblique sagittal像で肩甲骨関節窩,棘上筋および筋内腱の断面積を計測し,axial像で肩甲骨関節窩と筋内腱のなす角を計測した.断裂群で棘上筋の面積比は有意に小さかったが,筋内腱の面積比は両群で差を認めなかった.また筋内腱の走行は断裂群で健常群と比べ5度後方に向かっていた.厚い線維組織を有する筋内腱を腱板修復に用いるため,術前にその走行を確認することは手術計画を立てる上で有用であると考えられた.