2009 年 48 巻 2 号 p. 93-98
化学物質管理は,近年世界的に有害性を基準とした規制・管理から,リスクに基づく管理へシフトして いる.化学物質のリスクを適切に管理するためには,化学物質のばく露を被る集団全体のリスクを評価し,リスクが懸念される集団を特定するとともに,その集団のばく露に大きな寄与をする環境排出源を特定し,主要な排出源に対して費用対効果に優れたリスク削減対策を検討することが必要となる.このような検討を含む化学物質のリスク評価は詳細リスク評価と分類され,詳細な評価が必要な物質であるか否かを判定する初期リスク評価とは異なる考え方に基づいて評価が行われる.本稿では,化学物質のリスク管理の考え方について概説するとともに,詳細リスク評価での使用を前提として開発した,あるいは現在開発中の化学物質管理に係る手法の概要を紹介する.