大学実験室に配置される設備や物品について,作業者の視覚的情報と,危険箇所としての認識との関連性を調べるべく,アイカメラによる視線解析手法を用いて作業者の危険認識に関する潜在意識の可視化を試みた.11 名の被験者が実験室内を歩行する際に0.2 秒以上注視した全52 箇所について,危険認識に関するヒヤリング結果とあわせて解析したところ,多くの人が危険と認識してもその注視時間には長短があること,危険認識と関係なく,設置場所によって注視されやすい箇所があり,その周辺のモノへの注視時間の減少傾向があることなどが明らかになった.また,ヒヤリングで危険箇所に関して意識付けされた後に,総注視箇所数や注視時間が増加した.これらの知見は,実験室内のハザードマップ作成や装置配置などの実験室計画への活用が期待できる.