医療事故により,患者の安全確保という医療の基本責任が問題視されている.患者は適正な診断,治療,看護を受けることが医療の当たり前の業務品質と考える.医療の当たり前の業務品質を保証するために,ヒューマンエラーを低減させる未然防止分析手法を考える必要がある. 提案する業務フロー基幹軸とq─FMEA 支援軸との二軸統合プロセス分析手法は,ヒューマンエラーを抽出し,業務フロー上での問題点の見える化を行うことで医療事故の未然防止を図ることを目的とする. q─FMEA は,現状の業務フローを用いたFMEA をもとに対象とする業務部位についてQFD 手法によるシーン展開を可能とさせる.q─FMEA の実施により,ヒューマンエラーによる潜在危険が同定される.さらに,管理項目と潜在危険に結びつく重要なエラーを業務フロー図に記載して重点管理する.こうして,適正な医療行為ができるように重点的な「見える化管理」を行うものである. 提案する分析手法を医療現場のヒヤリハット事項を含むヒューマンエラーへ適用した.その結果,作業工程からのエラーモードが抽出され,想定シーンから考えられるエラーモードの深堀による背後要因特定を含む分析を行うことができた.以上により,本分析手法による作業フロー上の不具合該当部位の見える化による未然防止が可能となり,医療安全対策の有効な支援ツールになることの有効性が示された.