安全工学
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安全/環境関連国際規格特集
感電災害の動向と電撃の危険限
市川 健二
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ジャーナル オープンアクセス

2009 年 48 巻 6 号 p. 407-412

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抄録

厚生労働省より毎年公表される感電災害統計から,わが国の産業職場で発生した感電災害の発生状況や特徴を調査した.その結果,全労働災害は長期的視野で見れば減少傾向を示すなかで,感電災害は特に昭和50 年代において著しく減少し災害防止の成果を上げたが,それ以降は他の労働災害と同程度の減少傾向で推移している.感電災害の特徴としては,災害発生件数こそ少ないものの,いったん発生すると死亡危険性が高いこと,低圧電気での災害は夏季(7~9 月)に集中して発生し,電撃が人体の皮膚の発汗現象(人体抵抗の低下)と密接に関係していること等を示している. 電撃の危険限界については,過去に多くの研究者が実施した人体実験や動物実験の結果,およびそれらをもとに公表されたIEC(国際電気標準会議)の技術報告書で示された人体反応やその危険限界(電流/時間領域)等を紹介する.

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© 2009 特定非営利活動法人 安全工学会
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