安全工学
Online ISSN : 2424-0656
Print ISSN : 0570-4480
ISSN-L : 0570-4480
総説
排出事業者責任を考える
真の排出者は“試験・研究者”―
藤井 良仁丸山 健一
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2011 年 50 巻 4 号 p. 226-230

詳細
抄録

誤った取扱いにより有毒ガスの発生や火災・爆発等の事故を引き起こす危険性を持つ化学薬品や試験・研究系廃棄物は,適切な管理のもと安全に廃棄処分されるべきであるが,試験・研究機関内外において,未だ事故やトラブルが後を絶たない.その原因は排出者の安全に関する自覚不足や後工程である廃棄物処理業者への廃棄物に関する情報伝達の不十分さに起因している. これらの安全や情報伝達の責任は廃棄物の化学的危険性をもっとも熟知している当該廃棄物を排出する試験・研究者にあると考える.しかし,その責任所在や廃棄の際の注意事項,何を情報として伝えなければならないのかが,十分に周知されていない.そのため事故等を予防するためには,排出事業者と廃棄物処理業者が連携し,情報伝達をシステム化することが不可欠である. 本稿では廃棄物処理業者から見た試験・研究系廃棄物の抱える安全,情報伝達などの諸問題を述べる.

著者関連情報
© 2011 特定非営利活動法人 安全工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top