近年の化学物質の種類と使用量の増大に伴い,従来のように限られた数の規制物質をモニタリングするだけでは安全・安心を担保するには不十分となってきた.意図的,非意図的を含め想定外の化学物質に対応するには,可能な限り多くの物質を分析する必要がある.最近のガス(液体)クロマトグラフ- 質量分析計(GC-MS やLC-MS)や分析カラムの技術的進歩及びコンピュータの性能向上により,揮発性から難揮発性,無極性から高極性までの広範囲な物理化学的性質の物質を一斉に網羅分析したり,一千種を超えるノンターゲット分析が可能となった.本稿では,環境や食品中の未規制化学物質を含む網羅分析やノンターゲット分析に関する最近の動向を紹介し,併せて未規制物質の検出濃度の評価手法について解説する.