本研究では,一般的なリスクの概念を考察するとともに,リスクの発生要因であるハザードに焦点を当て,視覚障害者が抱えているリスクを分析することによって,それらを防ぐ改善案を検討するためのハザード改善マトリクスを提案する.視覚障害者には全盲,弱視など様々なカテゴリーがあるが,該当者が有するリスクは,盲導犬や白杖などの介助・補助によってある程度は回避することができる.しかし,視覚障害者本人が改善できるハザードは比較的少なく,他者や社会の努力によって改善されるべきハザードが多くあると考えられる.本稿ではこのことに着目し,提案するマトリクス書式を活用することによって,ハザードの分類とそれに伴うリスクの削減策検討に資することを目的とする.