安全工学
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総説
業界における保安向上への取り組み
中村 昌允
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2015 年 54 巻 3 号 p. 177-185

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抄録

第47 回安全工学研究発表会において,「業界における保安向上への取り組み」セッションが設けられ,石油連盟(石連),石油化学工業協会(石化協),日本化学工業協会(日化協)から,化学プラントでの重大事故防止に向けての取り組み状況が発表された. 重大事故の直接原因は,非定常状態で起きた緊急事態に運転員が的確に対応できなかったことである.その背景には「現場の対応能力の低下」がある.石連からは,漏洩事故が多く設備維持管理が重要であること,石化協からは,事故の大きさを米国化学プロセスセンター(CCPS)法に基づき評価していること,経営トップの役割の重要性,ならびに現場管理者層の事故情報・経験を相互に交流する地道な取り組み状況,日化協からは,3 件の重大事故を踏まえて作成した「保安事故防止ガイドライン」,「教育用DVD 教材」,「保安防災・労働安全衛生活動ベストプラクティス集」などの取り組みが紹介された.

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© 2015 特定非営利活動法人 安全工学会
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