2015 年 54 巻 5 号 p. 346-353
日本列島においてこれまでに発生した噴火災害の詳細データ(本稿では被害の大きさが明瞭な人的被害に着目)に基づき,その災害要因を分析した.また,災害要因毎の特徴を過去の災害事例をもとに整理した.御嶽山2014 年噴火の事例解析においても,火山噴火においては同時に複数の現象が重層的に発生している事,また火山噴火の場合には活動経過が数年に及ぶこともあり,その間に噴火様式や発生しうる要因が変化する事に留意する必要があることを記した.最後に,我が国の火山防災体制や観測研究体制を示し,活動火山対策特別措置法(いわゆる「活火山法」)の本年7 月の改正項目についても紹介した.