2015 年 54 巻 5 号 p. 369-373
任意酸素濃度における粉じん爆発の最小着火エネルギーを評価する装置を開発した.数種類の粉体について,本装置で評価したところ酸素濃度の低下に伴う顕著な着火感度の低下が確認された.加えて,最小着火エネルギーの酸素濃度依存性に関する既報の実験式と実測値との比較を行った. また本評価手法の安全対策への適用例として,空気輸送設備を例に挙げ,対象となる設備内で生じ得る放電エネルギーの最大値と設備内の支燃性ガス濃度雰囲気における最小着火エネルギーとを比較することによって,限界酸素濃度未満まで酸素濃度を下げずに,リスクを管理する考え方について紹介する.