2015 年 54 巻 5 号 p. 387-396
石油コンビナートにおける最近の事故発生は現場保安力低下によるものであり,この要因を改善・強化することで,安全で安定した事業所の操業を実現することが,石油精製・石油化学等事業者にとっての重要な課題となっている. そこで安全工学会では経済産業省より平成26 年度現場保安力維持向上基盤強化事業を受託し,現場保安力の概念の整理,評価要素の整理と重み付けを行い,現場保安力マトリクスに基づく定量的な評価手法を提案した.あわせて,各事業所ヒアリングを行い良好事例として強化要素を体系的にまとめた.さらに,現場保安力に関する海外調査,経済的影響評価などを行った.ここでは,紙面の制約もあり評価手法中心に活動内容を紹介する.