東日本大震災により大量の災害廃棄物が生じた.このため,一時的に災害廃棄物を堆積し,分別後に処理するための仮置き場が数多く設置された.しかし,この設置された災害廃棄物の仮置き場で40 件以上の火災が相次いで発生し,特に,2011 年の初夏から晩夏にかけての出火件数が多く,微生物発酵等を起因とした自然発火であることが,推定された.そこで,災害廃棄物に起因する火災が発生した東北地方の様々な仮置き場で現地調査を行い,発酵する可能性のある災害廃棄物の採取を行った後,様々な熱分析装置やガス分析装置を組み合わせて実証実験を行い,発酵発熱によって引き起こされる自然発火についての検討を行った.結果,腐食が進行した畳や木材チップ等が自然発火の引き金となりやすいことを明らかとしたことを報告する.