安全工学
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総説
医療安全
―エビデンスの来し方行く末
相馬 孝博
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2016 年 55 巻 1 号 p. 2-9

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抄録

医療安全に関する知見は,半世紀以上前から膨大な蓄積があり,数多くのメタアナリシス分析もなされているが,その体系化はいまだ途上である.航空分野をはじめとして,高信頼性組織の安全対策は医療分野に大きな影響を与えている.特に本稿では,航空分野の疲労研究や,チェックリストによる業務改善が医療安全に寄与していることを紹介し,世界標準の教科書ともいうべき,WHO 患者安全カリキュラムガイド多職種版(2011)について解説する.安全で信頼性の高い医療を実現するためには,今後も他分野のプロセス改善・デザイン・情報技術などの解決策も絶えず参考にしつつ,システム改善に繋がるエビデンスを検討する必要がある.

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© 2016 特定非営利活動法人 安全工学会
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