大気汚染に係る環境基準は,二酸化硫黄(SO2),一酸化炭素(CO),浮遊粒子状物質(SPM),二酸化窒素(NO2),光化学オキシダント(Ox),小粒子状物質(PM2.5),ベンゼン,トリクロロエチレン,テトラクロロエチレン,ジクロロメタン,ダイオキシン類に対して定められている.2016 年度の観測によると,Ox とPM2.5 が環境基準を満たしていない.本報では,環境アセスメントでSPM とNO2 の大気質評価で使用されている拡散モデルであるプリューム・パフモデルを解説し,ジャカルタ市に適応した計算事例を紹介する.次に,長距離輸送される汚染物質であるOx とPM2.5 の評価に用いられる気象モデルWRF(Weather Research Forecasting)と大気質モデルCMAQ(Community Multiscale Air Quality Modeling System)を解説し,東アジアを含む計算領域でOx とPM2.5 の予測精度について計算事例を用いて紹介する.