駅での停車に関わるエラーを経験した運転士と経験していない模範的な運転士の運転操縦を比較し,エラーを経験した運転士の停車直前の運転操縦の特徴を明らかにすることを目的とした.鉄道事業者の運転士156 名を対象に,実際の列車に搭載された運転情報記録装置から収集された2 ヶ月分のデータ,34 687 回の駅停車について分析した.評価指標は駅停車毎の停車5 秒前速度,停車前5 秒間のブレーキノッチ移動回数,停車前5 秒間の追加ブレーキ量とした.運転士毎の各評価指標の平均値や標準偏差を比較した結果,エラーを経験した運転士の特徴として,運転士個人内でブレーキ操作や走行速度のばらつきが大きいこと,ブレーキ操作や走行速度の分布からの外れ値が多いこと,普段から追加ブレーキを使用することが多いことがわかった.