2023 年 62 巻 5 号 p. 336-339
我が国では,2050 年までのカーボンニュートラル及び2030 年度における温室効果ガス46%排出削減の実現に向け,再生可能エネルギー最大限導入のための規制の見直しや蓄電池の導入拡大などの投資を進めるとされている. これらを踏まえ,消防庁では「リチウムイオン蓄電池に係る火災予防上の安全対策に関する検討会」を開催し調査検討を行ってきた. 海外の基準を基にした実験を行うなど,議論を重ねた結果,リチウムイオン蓄電池に関する火災予防上の安全対策について新しい方向性を見いだすことができたものと考えられる. なお,本検討会の検討結果については,令和5 年2 月に報告書をとりまとめて公表しており,本稿ではその一部について紹介する.