2024 年 10 巻 1 号 p. 51-57
要旨:〔目的〕本研究は,入院時に脊椎圧迫骨折患者の歩行能力の予後予測が可能かを検証するために後方視的調査を行った。〔対象〕回復期病棟を退院した女性の脊椎圧迫骨折患者173名とした。〔方法〕評価項目は,入院時の改訂版長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R),骨格筋量指数(SMI),ボディマス指数(BMI),握力,脳卒中の既往,椎体の骨折数,受傷回数,入院日数とした。退院時の歩行の自立に影響する因子をロジスティック回帰分析で検討し,ROC 曲線から歩行自立のカットオフ値を算出した。〔結果〕退院時の歩行自立には,入院時のHDS-R と握力が関係することが明らかになった。歩行の自立を判別するカットオフ値は,HDS-R が19.5点,握力が12.8kg であった。〔結語〕脊椎圧迫骨折患者は,入院時の認知機能と握力が良好であると,退院時に歩行が自立する可能性が高いことが示唆された。