2026 年 12 巻 1 号 p. 91-97
〔目的〕短下肢装具(AFO)と補高靴に適合不良を認めた生活期脳卒中症例を通じ,補高靴足底面設計とフォローアップの要点を整理する。〔対象〕70歳代後半の男性であり,24年前の脳出血後に左片麻痺を呈した。AFO および補高靴を使用していたが,前足部への過剰な荷重に伴う疼痛とAFO の適合不良により,自宅では基本動作および日常生活活動に介助を要していた。〔方法〕麻痺側に使用していたAFO および非麻痺側の補高靴を再作製した。両側とも足部の関節可動域に合わせて踵補高を調整し,足底面形状の修正を検討した。〔結果〕再作製前と比較して立位を中心とした理学療法が可能となり,身体機能の向上および日常生活活動の介助量軽減が認められた。〔結語〕AFO の適合と補高靴の足底面は立位安定性に大きな影響を及ぼす。生活期脳卒中患者に対しては,AFO の定期的な評価と理学療法士による主体的な介入が重要である。