2026 年 12 巻 1 号 p. 99-104
〔目的〕脳卒中後痙縮に対するボツリヌス療法について,回復期リハビリテーション病棟退院後の外来受診への移行課題とその規定要因を検討した。〔対象〕2025年に回復期リハビリテーション病棟で痙縮回診を受けた患者26名(受診群6名/非受診群20名)とした。〔方法〕本研究は後ろ向き観察研究である。外来受診群と非受診群で臨床的・社会的要因を単変量で比較した。〔結果〕機能的自立度評価法(FIM),改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDSR),年齢,Body Mass Index(BMI),家族送迎可否に有意差を認めた。一方,痙縮重症度を示す改訂アシュワース・スケール(MAS)に差はなかった。〔結論〕退院後の痙縮治療継続には,痙縮の重症度とは独立して,FIMやHDS-R などの生活機能・認知機能,特に家族による送迎体制といった社会・環境要因が強く影響する。多職種による統合評価と地域連携サポート構築が重要である。