2018 年 4 巻 1 号 p. 31-36
要旨:[目的]足指把持力と足指圧迫力は,どちらがより有用な身体機能の評価法なのかは明らかにされていない。本研究は,足指把持力ならびに足指圧迫力と各身体機能との関連を比較検討した。[対象]通所リハビリテーションを利用している要介護高齢者115名(男性39名,女性76名)とした。[方法]測定項目は,足指把持力,足指圧迫力,握力,大腿四頭筋筋力,開眼片足立ち,CS-30(the 30-second chair stand test),FRT(functional reachtest),ECFRT(functional reachtest with eyes closed),TUG(timedup and go test),5m歩行時間とした。足指把持力ならびに足指圧迫力と各身体機能との関連を Spearman の順位相関係数から検討し,その相関係数の差の検定を行った。[結果]要介護高齢者の足指把持力および足指圧迫力が強いほど,各身体機能は高かった。また,相関係数の差の検定は,有意差は認められなかった。[結語]要介護高齢者の足指把持力と足指圧迫力は,身体機能の評価法としていずれも有用である可能性が示された。