2018 年 4 巻 1 号 p. 41-45
本研究は地域在住高齢者を対象に認知機能が身体機能に及ぼす因子を検討すること,また高齢者の精神機能および活動と身体機能との関連も含めて検討することを目的とした。測定項目は認知機能評価として MMSE,心理機能評価として GDS を実施した。活動能力の評価として,老健式活動能力の調査を実施した。身体機能評価は,握力,大腿四頭筋筋力,上体起こし,5 m 最速歩行時間,30秒立ち上がりテスト及び TUG を測定した。MMSE の測定結果は26以下の者は 6 名で,27点以上は24名であった。単相関分析の結果,MMSE の点数と有意な相関関係を認めたのは,5 m 歩行速度と老健式活動能力点数であった。その他の測定項目については有意な相関関係は認められなかった。MCI の高齢者は,歩行スピードおよび活動能力に影響が出始めることが予想され,認知機能と身体機能の関連性について重要な測定項目であることが示唆された。