理学療法さが
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症例報告
歩行神経筋電気刺激装置が脳卒中片麻痺患者の歩行へ及ぼす影響
―足底圧分布計測装置 Go-tec を用いた検討―
吉竹 陽介藤木 良平今里 篤志横尾 匠西 紘希
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2018 年 4 巻 1 号 p. 47-51

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抄録

要旨:[目的]回復期脳卒中患者に対し,歩行神経筋電気刺激装置ウォークエイド®(帝人ファーマ社製:以下 WA)が歩行動作へ及ぼした効果を,足底圧分布計測装置 Go-tec GP Mobile Data(バンキフ社製:以下足底圧分布計測装置)を用いて検証することを目的とした。[対象と方法]対象は右被殻出血により左片麻痺を呈し,140病日経過した40歳代女性である。研究デザインはシングルケースデザイン(ABA 法)を用いて検証した。期間はそれぞれ A1 期(ベースライン期間 4 週間),B 期(介入期間 4 週間),A 2 期(介入撤回期間 2 週間)とした。介入方法は,ベースライン期には通常の理学療法のみ60分間行い,介入期には通常の理学療法に WA を用いた歩行訓練を20分間加えて実施した。介入撤回期には再度通常理学療法のみ60分間行った。効果検証は足底圧分布計測装置を用いて計測を行った。[結果]A1 期には麻痺側の後足部における平均足底圧は踵中央部に集中していたが,B 期において,より後方へと変位し,A2 期には,再度前方へ変位していた。また,その際の背屈角度を測定したところ,A1 期と比較すると B 期に背屈角度の改善を認めた。[結語]WA の使用により,脳卒中片麻痺患者の麻痺側遊脚期〜初期接地の背屈角度を改善できる可能性が示唆された。

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© 2018 公益社団法人 佐賀県理学療法士会
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