理学療法さが
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原著
男性慢性閉塞性肺疾患患者の握力は全身状態を反映するか?
〜全身状態の各指標との関連および影響要因の検証〜
日髙 晴菜白仁田秀一猿渡 聡﨑谷 亜美渡辺 尚
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2021 年 7 巻 1 号 p. 43-50

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抄録

[目的]男性の慢性閉塞性肺疾患(COPD)の握力と各指標との関連と影響要因について調査した。[対象・方法]外来 COPD65例を対象とした。握力との関連を調査する項目として,呼吸機能検査は %FVC(%forced vital capacity),FEV1.0%(forced expiratory volume in one second%),%FEV1.0(%forced expiratory volume in one second),呼吸困難感検査はmMRC(modified British Medical Research Council),栄養検査は筋量(上肢筋量,下肢筋量,体幹筋量,全身筋量),筋力検査は MEP(Maximum Expiratory Pressure),MIP(Maximum Inspiratory Pressure),膝伸展筋力,運動耐容能検査は6MD(6 Minute Walking Distance),精神検査は HADS(hospital anxiety and depression scale)の不安とうつ,生活活動範囲検査は LSA(Life Space Assessment Test),認知機能検査は MoCA-J(Japanese version of Montreal Cognitive Assessment)とした。解析方法は握力とその他の項目について Pearson 積率相関分析を用いて,また従属変数を握力,独立変数を %FEV1,mMRC,全身筋量,6MD,HADS のうつ,LSA,MoCA-J としたステップワイズ法による重回帰分析にて握力の影響因子の抽出を行った。[結果]相関分析の結果,握力は上下肢,体幹,全身筋量,MEP,MIP,膝伸展筋力,6MD,LSA,MoCA-J と相関が認められた。重回帰分析の結果は,全身筋量と MoCA-J が握力の影響因子として抽出された。[結語]男性COPD の握力は栄養,運動能力,生活活動範囲,認知機能と中等度以上の関連が認められ,全身筋量と MoCA-J が影響していることが示唆された。

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