理学療法さが
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原著
新ロコモティブシンドローム判定と身体組成の特徴
―地域在住女性高齢者を対象として―
久保温子古後 晴基満丸 望
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2021 年 7 巻 1 号 p. 59-63

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抄録

[目的]自立して地域で生活する元気な女性高齢者を対象に,2020年 9月に発表された新ロコモティブシンドローム判定基準によるロコモティブシンドロームテストと身体組成分析評価を行い,ロコモティブシンドロームに該当した高齢者の特徴を検討した。[対象]体力測定会への参加に自主的に応じた地域在住女性高齢者36名とした。[方法]個人の属性に関する情報の収集とロコモティブシンドロームテストを実施した後,身体組成分析評価を実施した。新ロコモティブシンドローム判定基準にて,ロコモティブシンドローム該当なし群とロコモ度1 〜 3 群の4 群に分類し,各変数を比較検討した。[結果]分析対象とした36名のうちロコモティブシンドローム該当なし群 6名,ロコモ度1 群17名,ロコモ度2 群 8名,ロコモ度3 群が5 名となった。4 群を比較した結果,ロコモ度3 群はロコモティブシンドローム該当なし群とロコモ度1 群と比較して年齢に有意な差が認められた。[結語]地域で自立した生活を営んでいる高齢者において,ロコモ度3に該当する者が認められた。また,年齢が高くなると重症度が高くなる傾向が認められた。今後,新判定基準に基づき,ロコモの医療対策の根拠やフレイルの基準との関係を明らかにする必要がある。

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