2022 年 8 巻 1 号 p. 1-8
[目的]急性期脳卒中片麻痺患者のサルコペニアの有無に着目し,リハビリテーションの効果を検証した。[対象]対象は,急性期脳卒中片麻痺患者49名(平均年齢76±10歳)とした。[方法]測定項目は,アルブミン,血清総蛋白,下腿周径,握力,下肢荷重力,体幹機能評価(TCT),脳卒中機能障害評価法の麻痺側運動機能(SIAS-M),ミニメンタルステート検査(MMSE),機能的自立度評価法(FIM)とした。初期評価時のサルコペニアの有無別に,初期評価時と再評価時の各測定項目を比較し,リハビリテーションの効果を検証した。[結果]サルコペニア群および非サルコペニア群の身体機能と認知機能,日常生活活動(ADL)能力は,再評価時に有意に高値を示した。[結語]急性期脳卒中片麻痺患者は,サルコペニアの有無に関わらずリハビリテーションを行うことで,身体機能と認知機能,ADL 能力を改善できることが示された。