2018 年 12 巻 1 号 p. 70-79
本研究では,大阪府4ヶ所のシルバー人材センター(以下,センター)を対象に会員調査を行い,センターに対する領域別の満足度を明らかにするとともに,その関連要因を検討した.分析対象者は男性782名,女性444名の計1,226名である.分析には満足度(①健康維持,②生きがい獲得,③家計補助,④友人交流,⑤地域貢献)の回答結果を2群化(満足群,不満足群)したものを目的変数,年齢,在籍年数,経済的動機の有無,主観的健康感,センター以外での活動の有無,月あたりの平均配分金額を独立変数とする単変量解析およびロジスティック回帰分析をおこなった.その結果,満足群の割合は①②が極めて高く,その他の項目では50%~70%程度であった.会員の満足度は決して低くはなく,センターに対して総合的に満足しているという結果であった.また,会員の満足度は領域によって関連する要因が異なるとともに,その関連性は性別によって異なる傾向を持つことが明らかとなった.