2019 年 13 巻 1 号 p. 37-43
目的:近年,本邦では骨粗鬆症患者数は増加している.また,地域在住者の健康と近隣環境の関連が報告されている.地域在住者の健康と近隣環境の関連が報告されている現在,骨密度に影響を与える医学的背景に加え自宅周辺の状況等の環境因子も考慮する必要がある.そこで本研究では地域在住高齢者の1年間の骨密度の変化量と近隣環境の関連を調査する.
方法:ベースライン時及びフォローアップ時の体力測定会に参加した要支援・要介護認定を受けていない65歳以上の地域在住高齢者121名を解析対象者とした.調査は,自記式アンケートと1年間の骨密度の変化量を測定した.近隣環境の評価はIPAQ-Eを用いた.IPAQ-Eは回答を2群に分けて解析を行った.
結果:骨密度の変化量と関連が認められた項目は,居住密度(P<0.01)であった.
考察:居住密度が高い地域に居住していることが,骨密度を上昇させる要因の1つであることが推察された.